2005/03 大阪平野区 生後一ヶ月乳児双子の弟父親の虐待によって死亡

先日ニュースで見てびっくりしてしまったこの虐待のニュース。

大阪市平野区の無職24歳の父親が、生後1ヶ月の双子兄弟乳児の弟を床に落として頭蓋骨骨折などで死なせた疑いで逮捕された。
故意に落としたのではないと、容疑を否認しているものの、双子の兄の栄養状態も悪く、日常的に虐待が加えられていた疑いが強い。

ーーー
まず信じられないのが、生後1ヶ月の乳児に虐待をしていたのではないかということ。
生後1ヶ月。。
生まれてたった30日。
子どもが生まれて、ただただ子どもを抱きしめる喜びに浸り、忙しさに、不慣れさに、悪戦苦闘しながらも、
やっと毎日の手順に慣れ始めた頃ではないのか。
やっと自分の子どもなんだと実感し、グラム単位で増える体重を誇らしく感じる時期ではないのか。。。
少なくとも私はそうでした。
寝不足で、疲れているのに、泣きじゃくる息子につい、うるさい!と言ってしまうものの、
10秒後には後悔して、ごめんねと抱きしめる。
永遠に泣き止まないのでは、と先が見えず、自分も一緒に泣いてしまったこともある。
息子のためと頑張って母乳にしたものの、乳腺炎を繰り返し、39度の熱にうなされつつも、息子のおむつを替え、
夜泣きに付き合う毎日。
そんな日々を繰り返し、ふと鏡を見れば、出産前、ばっちり化粧、きちんと服装だった私は消え、
髪はぼさぼさ、くまはくっきり、眉毛はぼうぼうの姿を見て、こんなはずじゃなかったのに。。と泣きわめいた事もありました。
それでも、息子を抱きしめたときの、あの感触、あのにおいを嗅ぐたび、幸せを感じ、
そんな幸せを与えてもらえた事に感謝できました。
こんなはずじゃなかった、これでよかったんだ、今最高だ、
でもこんなはずじゃなかった、いや今は一番幸せだ、を繰り返しています。
でもその繰り返しのネガティブな気持は、疲れ、ストレス、イライラ、などからくる一時的な感情でしかありません。
私は息子と出会えて、彼と生活を、時間を共有できて、幸せだという事実は不変な事実であると理解しています。
それが怒りという感情によって、すっと忘れ去られてしまう瞬間がだれにでもあります。

その怒りをコントロールすることが、親になることの第一歩のような気がします。

生後1ヶ月の乳児、1ヶ月しか我慢できなかったこの父親。
もしこのかわいそうな運命をたどった子どもが、もし生きていたら、これからもっともっと辛い毎日を送らなくては
いけなかったのかもしれない。。。
それでも、彼が成人したあと、傷を背負いつつも、彼は幸せを手に入れることができたかもしれない。。。

生まれて1ヶ月で殺してしまうなら、どうして子どもをもうけたのか?
出産前に、ましては、子どもを作る前に、ある程度の計画はたてておかなかったのか。
産む、産まないの選択をきちんと考慮したのか。
双子だと分かって、外からの助けを依頼していなかったのか。

双子の世話をするのは、きっと大変だろう。
私は、息子一人世話をするのも、大変だと思う事が多々ある。
それが二人同時では、本当に風呂に入ること、食事をとることさえないかもしれない。
母親の存在が明るみに出てこないが、産後1ヶ月で働きに出ているとは思えない。
この父親24歳の若さで、無職というのだから、経済的にも裕福ではないのかもしれない。
もしかしたら、母親の産後の経過が悪く、仕事をやめざるを得なかったのかもしれない。
家族と何らかの理由で育児援助を求められなかったのかもしれない。
疲れはたまっていただろう、ストレスも、いらいらも。
きっといろんな家庭内の事情があったのだろう。

でもそんな事情は、何一つ虐待行為とは関係ない。
無垢で、無力な子どもに暴力をふるうことが許される事情は、世界中どこを探しても一つもない。


もっと”調べること”をして欲しい。
この親に限らずだ。
情報が溢れている現代。
知らず知らずのうちに、耳から、目から情報は入ってくる。
テレビ、インターネット、雑誌、本、看板、チラシ、など。
流れ込んでくる情報が当たり前になって、受け身になっている傾向にあると思う。
自分から探しに行くニーズ感が低くなっている。
昔は、近所付き合いはあたりまえ、近所の人、子どもの友達の親と話をする時間を一日何時間ももうけていた事だろう。
そこから、情報を集め、自らその店だったり、場所に赴き、用をたしていたのではないだろうか。
自分から情報収集のため、例えば市役所に行ってみたり、電話で問い合わせをしたり。
そうする事で、自分が求めているもの、サービスなど、ある程度は見つけることができるのではないだろうか。
しかし、現代では、個人情報もなぜか流出し、子どもが生まれればなぜか子ども向けのカタログがポストに入っている。
五月人形のチラシが届く。市役所からは色々なお知らせもある。とても便利だと思う。
でも待っているだけでは、自分に必要な情報は入ってこない。
これだけ情報が溢れている、裏を返せば、簡単に何だって見つかる。
双子をもうけたのなら、双子の育児の経験談や、育児サービスや、地域で行っている育児支援などを調べて欲しい。
そして多いに利用して欲しい。
自分から呼びかけることだって可能だ。きっとボランティアで手伝いに来てくれる人だっているはずだ。
探せば、低価格でベビー用品だって、服だって手に入れられるだろう。

自分一人で何もかもする必要はない。みな事情は様々。
そういったサービスを利用したからって、親である価値が下がる訳ではない。
どんな親であろうと、子どもにとって自分の親が一番だからだ。
周りに非難する人がいるかもしれない、周りの目が気になるかもしれない、でも一番大事なことは、
親自身の精神状態、そして子どもへの影響だということに気がついて欲しい。
子どもを一番に、子どもにとって何が一番いいのか、何をしてあげられるのか考えてほしい。

この父親24歳と若い。
年齢だけが問題だとは思わないが、若いと自分の欲求を抑えるのが難しい。
もっと旅をしたかった、欲しい服があった、おいしいものを食べに行きたい、友達と遊びたい、と
やりたいことはたくさんあるだろう。
それを、一通りやってから親になるのと、出来ずに親になるのとでは、ストレス度も変わってくるだろう。
いろいろと経験を積んで、世間を見て、親になるのと、社会にあまり接せず、学校を出てすぐ親になるのとでは、
全く違うだろう。
まだ自分探しの最中に子どもをもうけ、親になるのは、きっと大きなストレスとなるだろう。
だからといって、それが悪いわけではない。
きっと子どもと一緒に成長でき、子どもも賢い子になると思う。
ただ、そのストレスの発散先を子どものしないで欲しい。

子どもは、親を頼って生きている。
小さいうちは、もちろん親が、ケアをしてくれる人がいなければ生きていけない。
子どもは、無力だ。
その弱い立場にある彼らに、暴力をふるうことは簡単だろう。
すぐ手を伸ばせば、そこにいる子ども。
殴ったって、殴り返してはこない。
人間はみな、弱い者いじめが大好きだ。
自分より弱い者を選べば、自分に危害はない。
弱い者をこてんぱんにして、そして、自分は強いんだ、と快感を得る。
なんて惨めな生き物なのか。。。

生後1ヶ月では、どうがんばっても虐待を防ぎようがない。。。
保育園にも幼稚園にも、学校にも通わない乳児と接するのは、ほとんど家族でしかない。
三者が参入することは、不可能に近い。
密室で何が行われているか、分かりようがない。
子どもの傷にだって気づきようがない。
乳児は泣くばかりなので、近所の人だって泣く乳児を不審には思わないだろう。

頼れるのは親の良識、親の子どもへの愛情のみです。
自分がいっぱいいっぱいだと思ったら、外に助けを求めてください。
頑張って生まれて来た赤ちゃんを、その将来を、大人の身勝手さという手で握り潰さないでください。

華愛 -KANALU-
2005/03/19
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